トリニダッドとラフロイグ

2018.4/17

大先輩のドクターとシングルモルトで乾杯。

大先輩のありがたいお話に耳を傾け、トリニダッドを燻らせ、ラフロイグの炭酸割りを飲む。

美味ぇ。複雑にして雑味が無い。

身体に良くないものを、欲して、愛して、淫する。

愚か者の退廃的な快楽と堕落。

堕落の醍醐味は、傍に居る人を同じ堕落に引き込むところにある。
愚者たちの秘やかなる共鳴とでもいいましょうか。

と、今夜も不健康な行為を正当化している。


*トリニダッド:キューバ産葉巻。トリニダッドはコイーバ(同じく葉巻のブランド)が市場用に解禁された1982年に政府用となった。解禁されたのが1994年以降と比較的近年であり、コイーバと比べて知名度はまだ低いものの、軒並み高評価で、ミディアムの味わい深い芳香が特徴とされる。さまざまな微妙なスパイスとウッドスモークの風味が現れる葉巻。ベースはチョコレートに少しモカを落とし込んだような風味とコーヒー豆の風味。その豊かさは若々しく濃厚。複雑にして雑味が無い。

*ラフロイグ:スコットランド西海岸沖に浮かぶアイラ島で蒸留・産出されるシングルモルト・スコッチウイスキー。独特の強烈なピート(泥炭)香を持つのが特徴。ラフロイグとは、ゲール語で「広い湾の傍にある美しい窪地」を意味するらしい。ラフロイグは、最も強いフレーバーを持つスコッチウイスキーの1つ。一般にウイスキーは加水することによって香りが引き立つ(テイスティングの作法では同量の水を加える、これを“twice up”と呼ぶ)。そのフェノリックでピーティなニュアンスは、「瓶詰めの煙」である。ヨードチンキ、海藻、あるいは、消毒剤(よく言われるのは、正露丸)にすら例えられてきた。しかし、この強烈な風味はバーボン樽が持つ甘さによって和らげられる。アメリカで禁酒法が施行された時代、ラフロイグ蒸留所は「この液体は酒ではなく薬の臭いだ」と主張して、合法的にウイスキーを販売した、という。ちなみに、この禁酒法時代において、違法にアルコールを売りまくり、何百万ドルもの大金を稼いだのが、シカゴギャング、アル・カポネである。




監督 池谷 龍一

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