コロナ記2 ~院内全体会議議事録より1~ (令和2年12月)
R2.12.24(木)、コロナ感染拡大(第3波の襲来)および院内クラスターが起きてしまったA病院へのナース派遣に関して、院内全体会議を行った。
以下は、そこで私が話した内容であり、会議の議事録(前半)である。
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この度、クラスター感染が起きてしまった病院に、当院からナースたちを派遣したわけですが(PCR陰性で無事に帰還)、この派遣に関しては、当院の看護部の中でも意見が割れ、それらを収拾するため、緊急の院内全体会議説明会を開きました。
院内全体会議に出席してくれた方々、こうした今も、日常業務に従事してくれている方々、本当にありがとうございます。
この度の、クラスター感染が起きてしまったA病院への、Y看護部長とS看護師長の派遣を振り返りながら、当院の現状、ならびに、コロナに関する当院の今後の方針に関して述べたいと思います。
まず、2人は、念押しで2回の抗原検査、PCR検査、インフルエンザ検査、いずれも陰性で、職場復帰しております。
また、私が個人で購入している抗体キットでも、2人とも、陰性でした(IgM抗体、IgG抗体)。
私は、この2人に勇気ある行動に敬意を示し、心の底から、まことに感謝しております。ありがとうございました。
そして、この2人が不在中、この病院を守ってくれた全ての職員の皆さま方、本当にありがとうございました。
このような緊急支援には、『ヒト、モノ、カネ』と3種類の方法があります。
A病院のF院長とは、公私共に親しくさせていただいており、同院でのクラスター発生から、すぐに連絡を取り合っていました。
また、同時に、県からのスタッフ派遣要請もありました。
しかし、クラスター発生当初、A病院も、行政も、混乱しており、様々な情報が飛び交う中、我々は(看護部長と病棟師長たち)、何回も、この緊急支援に関して、話し合いました。
R2.12.14(月)からのナース派遣が最終的に決まったのは、前日、R2.12.13(日)の23時でした。
A病院から流れてくる情報を、何度解読しても、やはり、『ヒト』を派遣するのが一番有効だと、我々は判断しました。
同時に、私はA病院および県と徹底的に話し合い、Y看護部長とS師長にはグリーンゾーン(徹底した清潔エリア)で勤務していただくこと、また、A病院内でのレッドゾーン(徹底した隔離)、グリーンゾーン、前室(PPEに着替える部屋)、つまりは、ゾーン区分の徹底を、A病院にお願いしました。
また、この度のナース派遣決定の背景には、
1.病院間の連携の重視(普段から当エリアの患者さんたちが措置入院などでお世話になっている。また、当院とて、いつ、他の病院からヘルプを必要とするか分からない)
2.医療従事者による社会貢献の意義(診療報酬=病院に入ってくる収入は、国民の税金でまかなわれています)
3.Y看護部長とS師長が、身体を張って、持ち帰ってくる、クラスターに関する情報や体験は必ず当院の感染対策に役に立つ
4.この病院が行政をはじめとする周囲から信頼されるのに値する行動であり、それは、今後、周囲との強いパイプになっていく
が、あります。
もちろん、職員の皆さま方の中で、様々な意見やお考えがあるのは、尊重いたします。
外部からの評価を気にしているばかりではなく、ただでさえ人手不足の当院、内部も守っていかないといけない。
よって、当初、予定では計4人の派遣でしたが、計2人へ、派遣人数を減らしています。
また、皆さまが不安に感じているのは、コロナウイルス感染による肉体的なダメージだけではなく、いわゆる、医療従事者への、コロナ差別と偏見があるのではないか、と思います。
それは、皆さま個人だけでなく、皆様の大切なご家族にも危害が及ぶ可能性、そういった不安や心配もあるか、と思います。
この点に関しましても、当院の職員が、精神的に傷つくようなことがあれば、私は、行政(市役所、教育委員会、各施設など)でも、どこでも、殴り込みにいきます、これは乱暴な言い回しになりますが、とにかく、何があっても、お世話になっている、当院の職員、皆さま方を守っていきます。
そして、あらためて、今回、自らの意志で、身体を張って、A病院へのナース派遣を行動で示してくれたY看護部長とS師長、それらの方針を寛大な態度で見守ってくれたT事務部長、そして、2人のリーダーが不在中に病院を守ってくれた職員の皆さま、本当に感謝しております。
本当にありがとうございました。
最後に、あらためて、僕たちが、このエリアに対して何ができるか、僕は、考え続けていくし、皆さまにも、この地域における精神医療ならび維持透析治療で、さらに何ができるか、考えていただきたいと思います。
そのとき、前に進むための、2つの車輪になるのは、passion(気持ち)とevidence(医学的根拠)です。
スタッフの皆さまがいらっしゃらないと、僕は何もできません。
ですから、私は、全力で、皆さまと皆さまのご家族が安心できる環境作り、passionの維持、evidenceの提供、を心がけていきます。
今後とも、ご理解およびご協力の程、何卒よろしくお願いいたします。
新庄明和病院 院長 池谷 龍一
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監督 池谷 龍一